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紅茶を知ろう

まずは紅茶についてすこしお話

クロニクル・オブ・ブラックティー/中国で生まれ、ヨーロッパに羽ばたいた「紅茶」。その偉大なる歴史に迫る。

紅茶王国・イギリスが生まれた理由。

 お茶の歴史は大変古く、原産地の中国では紀元前の書物にその記載があるほどです。当初は薬用や僧侶の修行に用いられていました。その後、17世紀初頭にオランダからイギリスに伝わり、王族や上流階級の間に広まったとされています。1662年、国王チャールズ2世のもとへ嫁いだポルトガル出身のキャサリン王妃が、茶を愛飲したことから、王宮での飲み物に定着したとされています。当時、飲まれていた中国茶は主に緑茶であり、紅茶が生まれたのは、意外にも遅く18世紀後半のことです。発酵茶である烏龍茶を改良し、紅茶が誕生しました。

紅茶王国・イギリスが生まれた理由。

 すでに中国茶の人気の高かったイギリスでは、紅茶はすぐさま受け入れられ、また産業革命を経るなかで上流階級から、一般へもお茶を飲む習慣が広まっていきました。また、この頃に砂糖やミルクを加える飲み方も登場したといわれています。19世紀になると、インドのアッサムで新たな種が発見され、当時の大英帝国は貿易商社「東インド会社」と共に、インドやセイロン(現スリランカ)で大規模な紅茶生産に乗り出します。このようにして、紅茶はイギリスにとって大変重要な位置を占めるようになりました。

 独立以前、イギリスが支配していたアメリカでは、イギリスの紅茶を海に捨てる事件「ボストン茶会事件(1773年)」が起こりましたが、これは東インド会社が紅茶輸入を強要し、高い税金を課したことに反発したもので、港に捨てられた紅茶の損害額は1,000,000ドルといわれています。アメリカで紅茶よりもコーヒーが好まれる風潮は、この頃生まれたようですが、一方でアイスティーやティーバッグはアメリカが生んだ紅茶文化です。

 現在では、紅茶はイギリス国民の生活に欠かせないものとなり、軍の携帯食糧にもティーバッグが採用されています。1950年代の冷戦時代にあっては、パンや肉と並び、紅茶の備蓄が必要といった議論が政府内で行われるほどでした。

 ちなみに日本に紅茶が伝来したのは、明治時代のこと。1927年には、国産初の紅茶が販売され、一般にも広まっていきますが、輸入が完全に自由化されたのは1971年。これ以降、世界各地のブランドやフレーバーが楽しめるようになり、紅茶専門店も生まれました。

烏龍茶を進化させて中国で生まれた紅茶。

 紅茶の誕生に対してよく語られる「中国からイギリスにお茶を運ぶ途中で発酵して紅茶となった」というエピソードは、実は誤りなのをご存知ですか。緑茶と紅茶は同じ茶葉から生まれ、その製造法が異なるだけなのです。摘み取った茶葉と芽を乾燥させ、揉み込んで完全発酵させたのが紅茶であり、同じ発酵茶である烏龍茶を作る過程とよく似ています。

 風味に関しては、冷涼な気候で栽培されたものは香りに優れ、日射の強い気候で栽培されたものは味に優れる傾向にあります。現在の紅茶づくりの主流はブレンドですが、異なる産地のものを合わせ変化を楽しむ場合と、同じ産地の違う茶園や日にちのものを合わせ質を高める場合があります。本場イギリスでは、朝用ブレンドの「ブレックファスト」、昼用ブレンドの「アフタヌーン」など、飲む人や飲むタイミングによって茶葉を変えるのが、なかば常識となっています。

世界の覇権をも左右した東インド会社と紅茶の関係。

 世界史でおなじみの「東インド会社」ですが、これはアジアとの貿易に特化した、世界最古の株式会社といわれています。大航海時代、イギリス東インド会社は、オランダとの抗争に敗れたため、当時大変貴重であった香辛料の取引ルートを失うことになります。その代わりに台頭してきたのが紅茶でした。同社が紅茶取引を独占した頃は、茶税が200%になったこともあり、また不正取引を取り締まるために、18世紀には混ぜ物等を禁止した「不正茶取締法」が成立するなど、その影響力が伺えます。

 しかし王室と癒着した会社運営に破綻が訪れます。「ボストン茶会事件(1773年)」の10年後に、アメリカが独立。さらに、産業革命の流れや、経済学者アダム・スミスによる批判など、ついには貿易独占権も失い、商事会社としての機能は終焉を迎えました。

 現在、東インド会社の名を冠した紅茶が存在しますが、これはイギリス紋章院の許可を得て、1978年に発足した新たな会社であり、古きよき大航海時代に思いを馳せたネーミングです。

現在、世界で生産されるお茶の8割は紅茶。

 日本や中国では緑茶が主流ですが、世界で生産されるお茶の8割は紅茶です。かつての名残から、インドやスリランカが世界最大級の生産国で、中国もかなり量を生産していますが、緑茶と紅茶を分けた統計がないため、生産実数は不明となっています。

 消費の大半はヨーロッパでされ、なかでもイギリス、フランスには、数えきれないほどの紅茶ブランドがあり、世界中の紅茶ファンに支持されています。今回は、そのひとつフランスの「ダマン・フレール」をはじめ、世界で愛されるブランドをご案内したいと思います。

現在、世界で生産されるお茶の8割は紅茶。

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